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マナー守って安全に マンションライフでペットを飼う

東京都内のマンションのエレベーターで先月、愛犬を連れていた女性(95)が、リード(散歩ひも)で思わぬ大けがを負う事故が起きた。ペットを飼えるマンションは今や常識になりつつある。ペットと快適に暮らすマンションライフの安全の死角とマナーとは−。

事故は先月二十六日、都内の十階建てマンションで起きた。警視庁の調べなどによると、十階に住む女性が愛犬を散歩させた帰り、一階からエレベーターに乗った。犬は中型のシバイヌ。リードは麻製で延ばすと長さ約四メートルあった。同乗していた男性が八階で降りると犬も男性につられて降りてしまった。

 飼い主は内に、犬は外のまま扉が閉まり、かごが十階に向けて動きだし、リードがピンと引っ張られた。飼い主は左手の親指以外の指四本にリードを巻いていたので、とっさに外せずこの四本を切断した。犬は八階の扉に押しつけられて宙づりになったが、男性が首輪を外して助け出した。

 犬のしつけに詳しい横浜市の獣医師、井本史夫さんは、リードが外れないよう手に巻いたり、犬が人を追い駆け出すのはありがちと指摘し「起きてもおかしくはない」と率直に感想を話す。

 実際、二〇〇二年には、乗り込む際に飼い主の四十代女性だけ乗り、金属製の鎖をつけた大型犬が外に取り残され、飼い主の手首がもぎ取られた。〇四年には小型犬がエレベーター内に残り、外に出た飼い主の八十代女性が革製リードで中指を切断した。

 業界団体の「日本エレベータ協会」が過去十年間について、エレベーターにリードが挟まれた事故を調べたところ、〇一年から今回まで六件の事故があった。国土交通省は今回の事故を重視、同協会に対し安全な利用法を周知徹底するよう通知を出した。

 ペットが飼えるマンションは最近、増えている。日本大学動物資源科学科の六年前の調査では、飼育可、不可を問わず八割以上でペットが飼われていた。ペットと暮らす住民にとっては、こうした事故に遭う危険性はいつもある。エレベータ協会の井出邦勝事務局長は「現在の技術で、扉が閉まった際に、ひものような細いものを確実に感知することはできない」と説明する。

 そうなると住民側が注意するしかない。井本さんは「犬と一緒にエレベーターに乗る際は、小型犬は抱きかかえ、中大型犬は奥の壁に押しつけるようにして、飼い主が足で押さえるようにする」とアドバイスする。同協会もエレベーター脇に張るシールを制作、注意を呼びかけている。

 安全問題と併せ気になるのがマナーだ。国交省が分譲マンションの管理組合を対象に〇三年に実施した調査では、組合運営で発生したトラブルをみると、違法駐車やペット飼育など「居住者のマナー」(複数回答)が83・3%あった。

 井本さんのアドバイスはこうだ。(1)ほえ声で近隣に迷惑をかけない(2)毛が飛び散るのでベランダでブラッシングしない(3)糞尿(ふんにょう)は外に出たとたんにする犬がいるので、できるだけ自宅内で。マンション敷地内では厳禁。しつければ室内でもできる(4)エレベーターに先に乗っている人がいたら「乗ってもいいですか」と声をかける―など。「ちょっとした心遣いで、犬が嫌いな人ともコミュニケーションがとれる」
(東京新聞より)

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